満ちない三日月

九州にUターン移住を考える25歳の自分探し

会社説明会の新常識

新卒採用活動において、誰もが一度は通る自社開催の会社説明会
ビックサイトなどで行う大型のイベントは軒並み終了し、自社説明会の全盛期が過ぎようというころでしょうか。少し時期遅れではありますが、今回は自社開催の会社説明会で見るべきポイントを紹介します。
※なおここでは社員数千名以上の日本企業を主な例としています

人事の言うことはすべて信じろ(但し、7割差し引いて)

新卒採用において最早常識とも言うべき「採用担当=嘘つき」という構図ですが、正しくありません。特に大きな企業など、採用担当者が他の職務を兼任していない場合、彼・彼女たちは採用担当のプロフェッショナルです。
仮に会社説明会で嘘の情報を伝え、役員面接で「人事の●●さんが~~とおっしゃっており」などと言われてしまっては、たまったもんじゃありません。
そのため、情報自体に嘘偽りはないのです。
ではなぜ嘘つきと言われてしまうのかというと、物事の良い側面を最大限伝える・悪い側面を見せないようにしているから。
また、若い人事や、年次は上でも異動の経験が少ない人は、そもそも会社内の仕事について実感としてはあまり知りません。なので、「~~として働きたいのですが」といった時、「そういう採用枠はありますよ」程度ならわかりますが、実際にどんな仕事をしているのか分かっていないため、本当にあなたの求める仕事に合致するのか、保証はできません。

ありがちな質問の下らなさ

先輩社員が訪れ、質問を受け付ける懇親会形式で、よくありがちな質問を下にあげます。
「なぜ●●さんは、御社を志望したのですか」
「●●さんが△△部門を志望した理由を教えてください」
「●●さんがやりがいを感じるのはどんな時ですか」
「今までの仕事の中で、●●さんが最もつらかったのはどんな時ですが」
「●●さんの周りにはどんな雰囲気の人が多いですか」
これらの質問は、あまり興味のない会社でどうしても質問しなければならない時以外にはしない方が賢明でしょう。
これらを聞かれた先輩社員は、おおよそテンプレートの答えを用意して説明会に望んでいます。ちょうど皆さんが「学生時代に力をいれたこと」「志望動機」「苦労したこと」といったエピソードを用意するのと同じように。そして懇親会が一日に数回あった場合、何度となく同じことを訊かれます。これも皆さんの面接と同じです。
更にこれらの質問はすべて●●さん1人の主観に頼って答えなくてはいけません。懇親会に登場する●●さんは、おそらく会社の中では人当たりもよく、楽しく仕事をして、空気が読める部類の人間です。
質問を受けた●●さんの本音はこんな感じでしょう。
「俺はこうだったけど、君がどうかは知らないよ」
「俺の部署はこうだけど、他の部署で働いたことないからわかんないよ」
「本当につらかったのはアレだけど、理不尽だからこの場には適さないよなぁ」
●●さんの答えは必ずしもタテマエではありませんが、本心であることは100%ありません。やはり、会社をよく見せたいという思いがどこかに働くからです。特に、使い古された質問では、答えていくうちにどんどん良いように加工されるという経験、皆さんもESを書いたり、面接を受ける過程で感じているのではないでしょうか。
●●さんの答えを加工してESや面接に使おうという就活本もありますが、人の言葉を借りてきてもどこか上滑りした答えになってしまいます。常套句ではなく、自分の本当の疑問をぶつけて、会話からキーワードを拾ってはいかがでしょうか。

職場の雰囲気は自社説明会で分かる

会社説明会を開催する側に立って分かったのですが、自社説明会も仕事の一環なので、仕事に対する社員の常識がよく表れています。緊張感は増しているでしょうが、皆さんは「仕事をしている社員」を目の当たりにするわけです。
説明会の途中で、後ろで控えている社員同士がおしゃべりをしていたら、仕事中の私語が咎められない職場でしょうし、先輩社員同士がよそよそしく、堅苦しい敬語で話していたら上下関係がはっきりしている職場でしょう。進行が上手くいかない場面が多ければ、その会社の会議はおおむね同じでしょう。
時折社員の姿を観察してはいかがでしょうか。

さて、新常識と銘打って3つ紹介しましたが、”新”と感じて頂けましたでしょうか。迎える社員側としても、学生さんがつまらなさそうにしていたら「自分の話がつまらないんだ」「もっとちゃんと準備すればよかった」と思うものです。そう、社員だって同じなんです。
そういう気持ちを持って、就職活動に望んでください。